2009年12月08日

「世界で勝負すべき!」という嘘

 「極限脱出 9時間9人9の扉」が気になっている野安です。今年の年末は、気になるソフトが多すぎです。

 という昨今ではありますが、ちょっと雑談みたいなことを。



 ゲームビジネスについて語っている人は、やっぱ世界市場で勝負しなくちゃいけないよねー、みたいな意見を発信していたりします。

・市場規模を考えると、日本市場は、もはや世界全体の10%未満だ!
・こんな市場にしがみつくのではなく、最初から全世界をターゲットにした作品作りをすべきだ!
・その流れに乗り遅れているところが、日本のゲームビジネスの欠点だ!
・ちゃんと海外市場を研究して、それにマッチしたソフトを開発すべきだ!

 みたいな論調ですね。

 でもね、これってオカシイ話なんですよ。いやまあ「全世界をターゲットにしたソフトを作るぜ!」という考えは、ものすごく正しい。文化や言語を越えて、より多くの人に楽しんでもらうってのは、大衆エンタテインメントが目指す、いわば王道ともいえる方向性ですからね。大手メーカーは、積極的にチャレンジすべきところです。

 でもね。その上で、はっきり言ってしまうけれど、これって、やっぱりオカシイ話なんです。



 他のメディアに置き換えてみると、よくわかる。

・国内市場は小さいんだから、小説家たるもの、みんな海外市場を意識したものを書かなくちゃいけない!
・国内市場は小さいんだから、映画監督たるもの、みんな海外市場を意識した作品を作らなくちゃいけない!
・国内市場は小さいんだから、ミュージシャンルたるもの、みんな海外市場を意識した楽曲を作らなくちゃいけない!



 ほらね。なんか変でしょ?

 うん。どんな作品であれ、世界中に作品を届けるために努力するという方向性は立派だし、力のある人はやるべきでしょう。でも、それを、みんながみんな実行するようになったら、イカンですよ。それが業界全体のスタンダードな考えになったら、イカンですよ。

 それぞれの国や地域には、それぞれ独自性というものがあります。

 どの国でゲームを作っても、みんな世界市場を意識することがスタンダード化して、その国・地域ならではの独自性が薄れるようなことがあるのならば、そりゃダメダメですよ。そんなもん、ゲーム文化をやせ細らせる要因でしかありません。「本」や「音楽」や「映画」に置き換えてみると、よくわかるはず。それはゲームの未来にとって、とてつもなく大きなマイナスです。

 いま、ゲームビジネスが直面している最大の問題は、たぶん、ここにあると思うよ。



 日本ってのは、1億人以上の人口を持つ国です。

 それだけの人口を持つ国で、「国内だけでペイしないから、海外市場を睨まなくちゃいけない」ということを、多くのメーカーが口にしちゃっているというのは、何かが狂っているとしか思えません。

 国内の開発者が、国内のユーザーに向けてソフトを作り、ユーザーが喜び、販売元も儲かって、ちゃんとビジネスという成立する――というのが、あるべき正しい姿です。

 その上で、全世界で勝負するソフトを作るぜ! という大手メーカーも存在して、そこでは爆発的なヒットを狙いにいく――みたいなバランスにならないといけないのでしょうね。



 現場を知らないからわからないけど、ほぼ間違いなく、開発費が高すぎるんでしょう。

 開発費をペイするために、全世界市場を狙わないといけない。それがいまのスタンダードなビジネスなのだ――という状況になっているのだと推測します。まったくもって、本末転倒です。

 この状況は、はっきりいって異常です。何度も書きますが「本」や「映画」や「音楽」と比較してみると、その異常さがわかるはず。

 全世界を狙わなくても、ちゃんと「国内向けの大作」が作れて利益が上がる(日本のみならず、いろいろな国でです)という形にならないといかんのだろうなぁ、と愚考する昨今です。

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この記事へのコメント
記事にするのが遅いです。
こんなことは2年前から2チャンネルでは言われてました。
今記事にするってことはスクエニの世界戦略(笑)の勝算が消え失せたタイミングでってことでしょうか。
Posted by あっはい at 2009年12月08日 20:53
2ちゃんで言われてませね。
言ってた方々は極少数の方でしょう。
2ちゃんでもセカイセカイ言われてるけどなww
Posted by 嘘はいけない at 2009年12月08日 22:12
その比較に使っている例えがおかしくないですか?

本や音楽はゲームにおける開発費に該当する費用がかからないのでリスクが少ないですし。
映画に関していうなら、邦画のような低予算でだけゲームを作るというのなら筋は通りますが、
実際に日本でもてやはされているソフトのほとんどはいわゆる「大作」じゃないですか。
ハリウッド映画並の予算をかけて、そしておそらくHDでゲームを開発しようと思えば普通にかかるんでしょう、
それを国内でのみペイしようという発想が無理なところに来ているっていうだけの話ではないのでしょうか。
Posted by うーん at 2009年12月09日 00:32
ゲームを商品として扱うかメディアとして扱うかによって違うのでしょうね。
商品とするなら車や家電と同じく世界で売っていくことが当たり前になる。
けどメディアであれば作品としてのアイデンティティが欠落したものは全然魅力的でないわけで。

ハリウッドがよく引き合いに出されますが、こちらはすでに北米だけではペイできなくなっており原作物かシリーズ物、そして驚くような映像がないと企画が通らなくなっています。
Posted by b at 2009年12月09日 00:35
認識が甘いんじゃないかな。
日本のゲームは少なくともファミコン以降、長期間に渡って全世界のコンシューマー市場のトップにあり続けたのです。
現行据置ハードも未だに3つのうち2つは日本産な訳ですから、そういう背景を考えたりはしないのですか?

もしも今後、海外ハードに依存するだけ、国内の売り上げだけで賄える程度のソフトだけにするなら野安さんの言う事もアリですけど、悲しい事ですね。
Posted by なっとう at 2009年12月09日 05:17
日本のユーザーにとっては国内向けだろうが全世界向けだろうが関係ない。自分に面白いかどうかだけが問題だ。・・・と言う意味では賛同します。

でもせっかく世界で勝負できる環境があり、世界で勝っているメーカーもあるのですからそれを基準にしてもらいたいとも思います。
Posted by とまと at 2009年12月09日 07:41
日本で「大作」ばかりがもてはやされているように”見える”のは、
しばらくの間、メーカー側の「大作」志向が続いたからでしょ?
それでも買ってくれるコアユーザーの数がそれなりにいたからね。

しかし、事情(とくに国内での)が大きく変わってきた。
開発費の高騰と国内コアユーザー人口の減少で採算が
難しくなってきたんだろう。
そこで、体力や技術(センス?)のある大手メーカーや、
世界で通用するブランドタイトルが世界市場を基準にビジネスするのは
いいと思う。
しかし、それが可能なのはほんの一握りだろう。
昔みたいに、アイデアと職人芸で国内市場で採算がとれるように
やっていく中で、中には海外にも通用するようなものも
生まれてくるかもしれない。
業界全体で、大手に合わせて背伸びする必要はないと思う。
Posted by タカ派僧 at 2009年12月09日 11:15
野安さんと野安信者は馬鹿だから解らないだろうけど、ゲームと映画や小説は違いますよ。
相変わらずの的外れな例え話、妄想、いまどきな話を垂れ流す前に
前回の、一回で済むような薄い内容を細切れにしてさらに薄くした糞記事の続きを書いたらどうですか。
Posted by at 2009年12月09日 13:06
嘘つき常習犯のおまえが他人様を嘘つき呼ばわりしちゃいかん
Posted by └|∵|┐ at 2009年12月09日 13:09
「続きは次回書きます!」という嘘
Posted by 野安 at 2009年12月09日 19:25
(社長)氏の思惑を勝手に想像するに、マシン・スペックにねらいを定めるというよりはマン・スペックをフル活用したい、言い換えれば、人使いを荒くしようというだけのような気がします。

小学生のときに班学習というのをやらされたんですが、給食を一緒に食べると仲良くなれるんですよね。

匿名制って、ミステリのような面白さがあると思います。
Posted by urashima at 2009年12月10日 00:25
>現場を知らないからわからないけど、ほぼ間違いなく、開発費が高すぎるんでしょう。

これに対する明確な回答ができないんであれば、
この記事は中身が薄すぎます。
もちろん続きはあるんですよね?
Posted by takashi at 2009年12月11日 07:00
他のジャンルに置き換えても特別変に感じないんですが?
Posted by 12 at 2009年12月11日 09:41
日本人が作ったなら結果的にどんなゲームも日本人向けになる気がします。
Posted by ナノサイズ at 2009年12月11日 18:51
でも実際に国内向けに作ってるソフトでも
任天堂ハードのものじゃなきゃ完全に黙殺するようなライターさんもいますし
Posted by 鑑 at 2009年12月12日 02:48
>現場を知らないからわからないけど、ほぼ間違いなく、開発費が高すぎるんでしょう。

おやおや~ここはド素人のブログだったのかな~w
仮にもゲームライターを生業にしてるの人間のくせに、「現場をしらないからわからない~」とかwww

まともな業界系のライターならネタは足で稼ぐのが普通じゃないの~
妄想と太鼓持ちだけで飯が食えるとは羨ましい限りですw
Posted by さなん at 2009年12月12日 08:07
海外では売れているけど日本ではパッとしないゲームというのもありますし、すべてのメーカーが海外を意識したゲームを出すようになったら結果として国内市場が縮小しそうな気がします。
でもって、その縮小した市場に「似たような海外を意識したゲーム」が多量に投下されて生存競争がより激化と。
今「海外を意識せよ」といっている人は実際に上のような状況になったら、多分、その時には全然別のことを言ってると思います。
ちょっと前まで「日本は世界の先行市場。日本で売れるゲームを作れば世界でも通用する」とかいってたのに、今は「海外!海外!」いってる人を存じ上げていますし。
Posted by Plus09 at 2009年12月12日 10:44
「小説や映画と違って国内だけでペイできないゲーム業界がおかしい」
という野安氏の論に
「ゲームのビジネスモデルが小説や映画と違うのも解んねーのかよ馬鹿」
と返すのは、どうにもズレているような。
そのビジネスモデルおかしくない?って話じゃないかと。
Posted by 須賀利 at 2009年12月13日 12:49
いや、ズレてはいないでしょう。
ビジネスモデルの話なんかではなく、これはコストの差の話なんですから
それを十把一絡げにするのがおかしいんですよ。
Posted by ↑ at 2009年12月13日 13:44
鉛筆と紙さえあればなにがしか出版出来て大当たりもあった
古き良き時代はもう無く、印刷代や流通代、それに返本に対する
金額的リスクも含めれば本はコストがかからないという
揚げ足取りはおかしいと思いますが。
音楽は最近DLが始まりましたがそれは自分の歌を有名にするための
コストがかかるという宿世からは逃れられませんよ。
本すらもプロジェクト化していますから、映画もゲームも
エンターテイメントにおけるビジネスモデルとしてはほぼ共通ですよ。

んで、野安さん、開発が高いのではなくて宣伝費用も爆上がりしてるのも
あると思いますが、それも考慮なさっては?
今振り向いてもらえるのが絶対数が多過ぎて大変、な時代ですから。
Posted by 宇治金時 at 2009年12月13日 18:20
出版における印刷代や流通代、それに返本含めてのリスク、
あるいは音楽業界の配信のための初期投資というのは
原価に該当するものであって、それはどの商品であれ普通にかかるもの。

ゲーム他ソフトウェアはそれに加えて開発費がかかるということを念頭にいれないといけません。
出版や音楽でこれに該当する費用は作家やミュージシャンに払う対価ですが、
これは1部あたりいくらというほぼ完全な歩合給です(契約料等はあるでしょうが)。
他の製品のように1個売れたら、いくら利益がでるといった通常のビジネスモデルにどちらかといえば近い。
これに対してゲームは100人単位の社員に毎月必ず支払う給与として、売れようが売れまいが必ず発生してしまう費用がかかります。
これらを同じ物として扱うのは無理があるでしょう。

まあ、たしかに映画はゲームのビジネスモデルに近いですね。
それがゲームと同様、世界中で公開することを前提に撮られているものが多くなってるのはご存じの通り。
Posted by   at 2009年12月14日 11:34
何か、ゲームは始めから世界で売ることを前提としなければならない程、
開発費が掛かる(掛ける)ものだという前提で話を進めてる人、多くない?

まず、作り手側に金の掛かるリッチなゲームを作りたいという欲があって、
その場合に採算を考えると世界で売る前提で考えざるを得ない・・・、
それを業界全体の流れにしたいという意図が働いてるのではないかと
穿った見方をしたくなってしまう。

国内向けを前提にした作り方(お金の掛け方)、より狭いターゲットを
前提にした作り方も実際にはあるのにそこを軽視されがちなのでは?

映画だって、世界を意識して作ってないものもいくらでもあると思うね。
Posted by タカ派層 at 2009年12月15日 00:33
糸井重里さんが
「ゲーム全体の発展を考えると、『ゲームって2人や3人で
 作れるようにならないかな』と、ずっと思っています」
と言っていたのを思い出しました。

僕は遊ばないのでサッパリ分からないんですが、
ケータイ用のゲームとかはどうなってるんでしょうかね。
Posted by ウエキ at 2009年12月21日 19:18
商用ゲームが個人製作から離れてからすでに25年は経ってますからね。
それでもiphoneのアプリとかで個人から数人で開発してるものもあるようで。
でも莫大なタイトル数に隠れて浮かび上がってこないんですよね。

そういうのを救い上げるのが本来メディアの仕事のはずなんですが、
どのゲームメディアも商売ですから、大手開発のゲームソフト紹介で終了してる状態。
客にしてももはやそんなゲームメディアの提灯記事信用しない有様です。

ゲームメディアに入って来る人材がそもそも取材教育をオンジョブで
されてないってのも影響あるんでしょうね。
ジブリの鈴木プロデューサーは、もともと雑誌の編集者だったのが
出版社からアニメの雑誌を出すということになって、
アニメ業界に飛び込んだわけですが、
アニメファンの熱気というものが、何かよくわからない、だけど凄い。
だから調べる必要があると思って、宮崎駿や他のアニメの演出家に
嫌がれるほどつきまとって取材したといいます。
今そんなことしてる記者っていないでしょ?

今やどのメディアに対してもいえることかもしれませけどね。
政治家の認識違いの失言に対して、その場でツッコミ入れられない政治記者とか普通ですから。
Posted by toori at 2009年12月23日 09:34
言語に左右されるコンテンツだと、国外では難しいかもしれませんね。
音楽でも歌物は母国語の歌詞が入ったものが、どの国でもよく売れていますから。
ただ、言語に左右されないコンテンツだと、例えばスーパーマリオのゲーム音楽が、アメリカのリングトーンチャートで年間一位になったりしているので、ゲームシステムで勝負できるゲームは強いかもしれないです。
Posted by 猫舌エンジン at 2010年02月07日 03:34